いままで、WordPress-mu 2.7 でサイトを構築していたので、WordPress 3.0.1 にしたら、テーマ関係がガラッと変わっていてびっくり。DB回りは大して変わってないのに。
というわけで、『ええー、こんなことも知らないの?』ということを中心にメモっていきます。

  • 子テーマ
    WP3には子テーマというやつができたらしい。いままで使いたいテーマをコピーして、それをシコシコ直していたんだけど、それはお行儀悪いから『親は誰それで、自分は誰それの子供です』と宣言して使うようになったらしい。なるほど、PHPerにも倫…(以下自主規制)
    詳しくは、子テーマを見てもらうことにして、簡単にいうと、/wp-content/themes の下に子テーマのディレクトリを作って、その中に style.css を入れればいいと。
    そんでもって、style.css の頭にこう書いておくと。

    /*
    Theme Name:  kid
    Template:        twentyten
    */
    @import url('../twentyten/style.css');
    

    これで、WP3デフォルトの twentytenの子供ですよということです。うんじゃ、テンプレート自体直したいときはどうすんのというのはまた別で。もちろんできます。

  • 子テーマの function.php
    これは、親テーマの前に読み込まれるようになっています。同じ名前があった場合、親テーマの関数が、こういうのをちゃんとやってくれてると二重定義になりません。

    
    

    子テーマに出ていたサンプルはまさにいつもいつも使うやつなので、助かりました。こうやってやればスマートなんだ。

    <?php
    function favicon_link() {
        echo '' . "\n";
    }
    add_action('wp_head', 'favicon_link');
    ?>
    

    サンプルの favicon.ico はルートでしたが、通常は子テーマの中に置くので(マルチサイトなので)、ディレクトリを付けておきました。
    従来の ’template_url’ だと親テーマ(この場合、twentyten)のディレクトリをもってくるのでNGです。

重い腰を上げて、WordPress 3.0.1をインストールしました。インストール自体はいつにも増して簡単です。
ただ、2.9 by PostgreSQL はコアに手を入れすぎているので、アップデードはできそうになく、エクスポートを試みましたが一瞬でエラーになったので、やらなくてよかったなぁと。
2.7.1 by MySQL は、以前 2.9 にアップデートしようとして失敗した覚えがあるので、これも無理っぽいかなと。こちらはエクスポートできるので、地道に1つずつ移していけばいいかな。
 
ということで、普通に WordPress 3.0.1を新規インストールしたので、それをマルチドメイン対応にしていきたいと思います。

  1. WordPress3のダウンロード
    WordPress 日本語ローカルサイトからダウンロード。パーミッションとかをすごく気にしないといけないわけではないので、.zipで解凍したものをサーバに持っていってもいいと思います。もちろん、.tar.gz を wgetするのが正統派ですが。


  2. データベースの作成
    MySQLに新しいDBをクリエイトしておきます。

    $ mysql -u root -p
    mysql> create database wordpress3;
    mysql> grant all on wordpress3.* to 'wpadmin'@'localhost' identified by 'password';
    

  3. 設定ファイル(wp-config.php)
    ダウンロードしたファイルを解凍すると、ルート・ディレクトリに wp-config-sample.php があります。これをエディットして、以下のところを修正して、wp-config.php として保存します。(他のところはデフォルトのままでOK)

    define('DB_NAME', 'wordpress3');
    define('DB_USER', 'wpadmin');
    define('DB_PASSWORD', 'password');
    

    認証用ユニークキー(’AUTH_KEY’ ~ ‘NONCE_SALT’)は、WordPress.org の秘密鍵サービスを使って変えておきましょう。


  4. Apacheの設定
    WordPressをインストールするためには、/wp-admin/install.php をブラウザで開かないといけないので、WordPressのファイルを置いたサーバのディレクトリを DocumentRoot にする Apacheのエントリ(ドメイン)を作らないといけません。

    
      ServerName hoge.jp
      ServerAlias *.hoge.jp
      DocumentRoot /home/www/wordpress3/
    
    

    ここでは、hoge.jp でアクセスにいくと、/home/www/wordpress3/ を見に行くようにしました。Apacheの再起動は忘れずに。(restartでなくて reloadでいいと思うけど)


  5. WordPress3のインストール
    http://hoge.jp/wp-admin/install.php でOKです。


  6. マルチドメイン化
    WordPress3ではネットワークと呼んでる機能です。ざっと見たところ、WordPress-muと変わりありませんね。WordPress本体にマージされたということが重要なんでしょうね。
    さて、ネットワーク機能を使用するためには、wp-config.php に以下の記述を追加します。

    define ('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
    

    そうすると、ダッシュボードの「ツール」に「ネットワーク」が追加されます。


  7. ネットワークの設定
    ・「サブドメイン」にするか「サブディレクトリ」にするか ・・・ うちはいつも「サブドメイン」です。(好き好きですが)
    ・「ネットワークのタイトル」 ・・・ あとで変えられます。
    ・「管理者のメールアドレス」 ・・・ あとで変えられます。
    これだけ設定して「インストール」を押すと、次のステップが表示されます。

    • wp-content ディレクトリに blogs.dir ディレクトリを作成。Apacheの書き込み権限を追加。
      # cd /home/www/wordpress3/wp-content
      # mkdir blogs.dir
      # chown www-data:www-data blogs.dir
      
    • wp-config.php に以下のコードを追加。
      define( 'MULTISITE', true );
      define( 'SUBDOMAIN_INSTALL', true );
      $base = '/';
      define( 'DOMAIN_CURRENT_SITE', 'hoge.jp' );
      define( 'PATH_CURRENT_SITE', '/' );
      define( 'SITE_ID_CURRENT_SITE', 1 );
      define( 'BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1 );
      
    • /home/www/wordpress3/ ディレクトリに .htaccess を作成する。
      RewriteEngine On
      RewriteBase /
      RewriteRule ^index.php$ - [L]
      
      # uploaded files
      RewriteRule ^files/(.+) wp-includes/ms-files.php?file=$1 [L]
      
      RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -f [OR]
      RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -d
      RewriteRule ^ - [L]
      RewriteRule . index.php [L]
      

    これでネットワーク関係はOKです。


  8. WordPress MU Domain Mapping のインストール
    ネットワークを入れただけだと、http://hoge.jp や http://ore.hoge.jp 、http://dare.hoge.jp など、複数のブログを管理することができるようになりますが、マルチドメインになったわけではありません。
    そこで、WordPress-muの文字通りのドン、donnchaさん作のプラグインを導入します。プラグインは新規追加で「WordPress MU Domain Mapping」を検索すれば出てきますから、いつもの手順通りにどうぞ。
    インストールしただけだと有効化しないので、以下2点を忘れずに。
    1.プラグインディレクトリの wordpress-mu-domain-mapping/sunrise.php を wp-content ディレクトリにコピー
    2.define( ‘SUNRISE’, ‘on’ ); を wp-config.php に追加


  9. サイトの追加
    時間切れなので、あとは注意点のみ。
    ・サイトを追加するときは、「サイトのアドレス」として、サブドメインを指定するが、独自ドメインにMappingしたあとは、使わなくなってしまうので、あまり名前付けに神経質にならなくてもよい。
    ・WordPress MU Domain Mapping の Domains で実際に割り当てる独自ドメインを指定する。
    ・Apacheの設定はもちろん必要。


phpmyadmin

今更ながら、phpMyAdmin をインストールしてみました。
いままで敬遠していたのは、PHPダサいなぁと思っていたことと、phpMyAdminを入り口にしてセキュリティが甘くなったら嫌だなぁということだったんですが、WordPressにこれだけお世話になっておいて、PHPダサいはないだろうと。あと、セキュリティについては、ルーターの外から入れないようにしとけばいいんじゃね、ということで手順と若干の注意点です。

  1. phpMyAdmin本体のダウンロードは、ここから
    現時点の最新安定版は、phpMyAdmin-3.3.5.1-all-languages.tar.gz でした。
  2. 落っことしたら、/home/www/ 配下にインストールすることにします。(もちろん、どこでもいいのですが)
    $ cd /home/www
    $ tar -xzvf phpMyAdmin-3.3.5.1-all-languages.tar.gz
    $ mv phpMyAdmin-3.3.5.1-all-languages phpMyAdmin
    $ s chown -R www-data:www-data phpMyAdmin
    

    tarで解凍するとバージョンも含んだ長い名前のディレクトリができちゃったので、リネームしました。
    あと、Apacheのユーザが実際の読み書きをするので、ディレクトリごとオナ―を変えちゃいました。

  3. phpMyAdminディレクトリの中に、config.sample.inc.php があるので、これを編集して、config.inc.php という名前で保存しておきます。変更点はこちら(↓)
    $cfg['blowfish_secret'] = 'xsafsdfsggdfgdvffdegrge';  // クッキー認証用の暗証文字列なので、適当な長さのものをセット。特殊記号とか大文字は混ぜない方がいいのかな。(未確認)
    $cfg['Lang'] = 'ja-utf-8';    // 日本語指定
    $cfg['PmaNoRelation_DisableWarning'] = true;    // リンクテーブルがありませんエラーを出さなくする指定
    

    あとは標準のままでいけます。

  4. 基本的にこれでOKなんですが、ブラウザからアクセスするために、Apacheの設定をやっておきます。
    
      ServerName phpmyadmin.192.com
      DocumentRoot /home/www/phpMyAdmin
      
        Order deny,allow
        Deny from all
        Allow from 127.0.0.1
        Allow from 192.168.1
      
    
    

    192.comは自分ででっち上げたドメインです。(本物の192.comはどこか別のところを指すはず)
    お気軽にこのドメインを hostsファイルに登録して自サーバに振り向けておきます。(そうはいっても万が一、外から入ってこられたときのために内部LANだけ allowしておくと)

  5. あとやったことは、mcryptというライブラリが PHPに入っていなかったので、これを入れて Apacheを再起動しました。
    # apt-get install php5-mcrypt
    # /etc/init.d/apache2 restart
    
  6. 『リンクテーブルを処理するための追加機能が無効になっています』エラーについて
    $cfg[‘PmaNoRelation_DisableWarning’] = true; の設定でエラーはでなくなりますが、拡張機能らしいのでちょっと使いたくなって、いろいろとやってみたのですが、最初の項目(pmadb)はOKになるんですが、それ以降はすべて NGで一向に進展がないため、あきらめました。忘れたことにやってみるかも。⇒ 参考サイト:phpMyAdminのインストール

こちら(↓)はインストールとは関係ありませんが、参考まで。
MySQL + phpMyAdmin によるバックアップ

hyperdb

 
なぜかあまり日本語での情報が少ない『HyperDB』ですが、負荷分散だったり、フェイル・オーバーだったりは、大切なことだと思うのです。
WordPress3.0にアップグレードするときには、HyperDBもセットで入れます!という決意表明です。

rt-200ne

 
タイトルは、もちろん親しみをこめて書いてますよ。
うちのルータは、NTTの RT-200NEというやつなんですけど、これがなかなか曲者なんです。
やりたいことは『WANに 2IP用意して、どっちのIPで入ってきても、同じサーバが応対する』ということなんですけど、ボクがバカなのか、RT-200NEがバカなのか、わかりませんが、うまくいきません。

  • 2回線の接続はOK。でもそのうち1本を『優先』にしなくちゃいけない。
  • 優先IPに外部からアクセスするのはOK。ちゃんと応答を返してくれる。
  • 優先じゃないIPに外部からアクセスするのはNG。RT-200NEでエラーになる。こんな(↓)エラー。
    RX-ERROR List Create Error : TCP 219.117.219.210 : 62853 > 192.168.1.200 : 80 (IP-PORT=ZOOT)
    
  • 静的ルーティング設定で、送信元(192.168.1.200)を優先じゃないIPに割り振ると、優先じゃないIPへ返答してくれるようになるので、OKなんだけど、今度は優先IPの方へ応答できなくなる。(当たり前)
  • 静的ルーティング設定を2つ登録しても、最初のエントリの方が優先されるっぽい。(そりゃ無理筋)
  • あきらめる。← いまここ。

 
言いたいことがうまく書けませんが、つまり、『外部からアクセスに来たIPに対して、その経路で応答を返す』ことを期待してるんですけど、静的ルーティングを書かないと、『どこからきたアクセスであろうと、常に』優先IPに対して応答を返しているようなんです。なんで、こんな仕様になってるのか。(ほんとか、ほんとか、俺が知らないだけじゃないのか?)
 
こんなこと、するやついないから、こうなってるのかなぁ。
 
参考:
RT-200NE 機能詳細ガイド
DNSラウンドロビン
DNS でラウンドロビンは当てにならない。


今日の画像(←)は借り物。
金子さんというデザイナーさんのブログなんですけど、イラストのタッチが好きです。

さて、標記のこと。ie-css3.htcというのをインクルードすると、不出来だけど可愛い(否、可愛くない)IEでも CSS3が使えちゃうよという技です。詳しいことはリンク先をご参照あれ。(詳しい順、参考になった順です)

  1. IEでもCSS3 その1(ie-css3)
  2. IE6/7/8でもCSS3が使えるようになるスクリプト -IE-CSS3
  3. IE6/7/8のブラウザでも角丸やドロップシャドウが使えるCSS3

text-shadowが使いたかったので「CSS3 PIE」は検討外だったんですけど、角丸とかグラデーションはPIEの方がきれいみたいです。
 
ie-css.htc を使うときの注意点。

  • CSSに↓のように書くと、普通、CSSのあるフォルダのものを引っぱってくると思いますが、さうではありませんでした。ルートのを持ってくるみたいです。安全のため、フルパスで書いた方がいいです。
    behavior: url(ie-css3.htc);
    behavior: url('/wp-content/themes/hoge/style-vega/ie-css3.htc');
    
  • 『text-shadow: 1px 1px 2px #a0a0a0;』の指定の仕方にちょっと癖があります。シャドウの位置(XとY)はどれくらい離すかで、わかりやすいですが、ボケ具合のパラメータがちょっと難しいです。